拘置所で被告に直接取材「愛着に似たような気持ちはありました」隣人男性を暴行死させた罪に問われる男「真摯に受け入れて服役しようと思っています」 （2024年5月23日）

MBS NEWS

隣人の男性を暴行死させたとされる男に検察側は懲役１４年を求刑しました。男が拘置所での面会で記者に語ったこととは？ 　楠本大樹被告（３４）は２０２２年１１月、大阪府堺市中区のマンションで、隣人の唐田健也さん（当時６３）に暴行を加えて死亡させたなどの罪に問われています。被告が唐田さんと知り合ったのは１か月半前。仕事探しを手伝うなどの名目で頻繁に行動を共にするようになりましたが、認知症のような言動が見られた唐田さんに、被告はすぐに暴行を加えるようになったといいます。 　【裁判の被告人質問より】 　（楠本大樹被告）「（レンタカー店で）勝手に店を出ようとしたりしたのでイライラして殴った。（和歌山のホテルで）独りでウロウロしたんじゃないかと思いイライラして殴った。自分の中では３割、強くても４割（の力）だったと思ってますし」 　しかし当時、楠本被告はボクシングジムに通い、プロテストを受ける予定もあったといいます。そして唐田さんが死亡した日。 　【裁判の被告人質問より】 　（弁護人）「なぜ殴ったんですか？」 　（楠本大樹被告）「暖房を思いっきりつけたりしていて、自分に挑発的な行動をしていたんじゃないかと思ってしまって。６割７割くらいの力だったと思います。それまでと比べたら強い力で殴ってしまいました」 　翌日に遺体となって見つかった唐田さん。医師の証言によると肋骨が２０か所以上で完全に折れていたといいます。 　楠本被告は５月２２日に拘置所でＭＢＳの面会取材に応じました。 　（記者）「唐田さんはどんな存在でしたか？」 　（楠本大樹被告）「愛着に似たような気持ちはありました。放っておけないような存在」 　（記者）「寂しさのような感情があったのですか？」 　（楠本大樹被告）「誰かと一緒にいたかった気持ちは正直あったかなと。否定はしないです」 　そして初公判では傷害致死罪について争う姿勢を見せていましたが。 　（楠本大樹被告）「自分がやってしまったことで亡くなったのかなと今となっては思う。よほどのことがない限り控訴するつもりはないですし、（判決を）真摯に受け入れて服役しようと思っています」 　“愛着のような感情もあった”と述べた楠本被告でしたが、唐田さんから金銭を搾取していたことも明らかになっています。スマホを壊されたなどの理由を付けて唐田さんにたびたび弁済金を要求していたのです。 　さらに今回の事件では、区役所の職員が、金銭搾取や暴行を実質的に黙認していたことも明らかになっています。 　【裁判の証人尋問より】 　（堺市中区役所の元係長）「今でもずっと考えるのは、自分が適切に警察に通報するという対応を取っていれば、（今ごろ）唐田さんは好きなタバコをふかせたり…。その芽を摘んでしまった。それを後悔しない日はないです」 　そして５月２３日の公判。検察側は「サンドバッグのように扱われた末にすさまじい痛みを覚えながら人生を終えた被害者の無念は計り知れない」などとして、懲役１４年を求刑しました。判決は６月５日に言い渡されます。 ▼MBS NEWS HP https://www.mbs.jp/news/ ▼最新ニュースや特集を毎日配信　チャンネル登録お願いします！ https://www.youtube.com/c/MBSnewsCH?sub_confirmation=1 #MBSニュース　#毎日放送　#拘置所　#暴行死　#大阪府　#堺市 #検察側　#求刑　#傷害致死罪　#金銭搾取